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これからも続く独自のスウィング。

今なおスウィングし続ける北村大沢楽隊宮城・石巻市

とうほく唯物論【2月号】

北村大沢楽隊の現メンバーでは渡辺さんが最年長となるが、全員年齢が近く、楽隊活動を始めた年齢に関しては渡辺さんよりも早い人もいる。すぐ身近に入隊を予定していた渡辺さんと、すでに入隊していたメンバーの脳裏に焼き付いている光景。それはそのまま、日本が歩んできた歴史に重なる。
「戦争に出征する人のため、しょっちゅう楽隊の鳴り物で送っていた場面です。“赤紙”が来たということは最高の名誉。しかし生きて返ってくることは望めないし、望んでもいけない。その状況の中で家族や親戚、知り合いなどが集まり、一様に万歳と歓喜の声で叫びながら、みんなが泣いている。どんなに賑やかに演奏しても、送った後には、それを上回る切なさが残りました」。渡辺さん自身、徴兵検査に合格して横須賀の武山海兵団で海軍養成を受けていたことがある。渡辺さんのほんの少し上の世代、幼なじみである兄貴分たちの出征に立ち会ったことを考えると、その記憶の強さも容易に想像できる。

さて北村大沢楽隊は、現在でもマイペースに活動を続けている“現役”だ。 「結局、みんな楽器を演奏するのが好きなんでしょうね。時折、若い人たちが集まるイベントにも呼ばれますが、逆に若い人たちの方がジンタを“珍しい”とか“新しい”と喜んでくれるんです。喜ばれればこっちも嬉しいしやりがいがある。楽隊ですから聴いてくれる人、喜んでくれる人がいればどこにだって行きますよ。冗談ぽいかもしれないけど“息してる限りやる”ってのが、これからの目標ですかね(笑)」。
決して演奏技術が高いわけではない。派手な演出があるわけでもない。しかし、一度聴いた者を引きずり込んでしまう不思議な魅力と、切ないジンタのメロディを奏でる独特のスウィングが、北村大沢楽隊にはある。

北村大沢楽隊の演奏を見る

「芸の言葉で“三足そろえる”という言葉がありますが、ウチは5人で三足。これからも聴いてくれる人がいれば、どこへでも出かけていきますよ」。

■取材協力

「北村大沢楽隊」
前列左より渡辺喜一(クラリネット・楽長)、
木村栄二(ケース)、
中列左より木村匡一(ゴロス)、
広瀬宗夫(サキソフォン)、
後列、桜井保(トランペット)。

ウェルパフォーミングアーツ
ZEPP SENDAI

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